先日、以前勤めていた会社の友人からこんな話を聞いた。
「先日さ、私の方が先に入社したのに、なんで私には仕事を教えてくれないんですか?」
と、いう後輩からの発言を受けたそうだ。
この発言をしたのはアルバイトの子だったらしい。どうやら自分の方が先に入社したのに、あとから入社した子ばかり仕事を教えていたのが気に入らなかったらしい。
私も以前勤めていたときにこのようなことを言われたことがある。
で、私は毎回こういった発言に対して聞き返すことがある。
「私の中でも、他の人と話して誰を教育していくかの方針はきめたよ。ちゃんとした理由があって決めました。だからひいきとかで決めたわけではないよ。では、逆に一つ質問するけど『自分はどうして教えてもらえなかった』と思う?」
こう聞くと、だいたの人が黙ってしまう。
別に黙ってしまっている相手を見るのが楽しいのではない。ただ、なぜ自分が選ばれなかったのかの理由を探したりしないのかは疑問に思ってしまう。
そして回答が出ないときに逆の効き方をする。
「〇〇さんが先に入社したのはわかってるよ。その上で訊くけど、どうしたら自分が教育をしてもらえたと思う?」
と、聞いてみると理由を探し出す。
ここで、多くの人が気が付く。
先に入社したのは把握している。その上で自分が選ばれていない。と、いうことは「先に入社したということは評価の対象になっていないのだ」ということ。
では、なぜ自分は選んでもらえなかったのか。
ここで、理由がぱっと出る人と、そうでない人がいるが、ぱっと出たとしても発言が返ってきたことはほとんどない。
なぜなら、圧倒的に傷つく理由だからだ。
解答は単純である。
「後に入った子の方が仕事ができるから」
である。
そう人間は自分の方が劣っていると思いたくない。
こころのどこかでは「自分が一番」と思っている。それは仕方がないことだ。
だがしかし、現実はその思いを救ってはくれなのである。
恋愛でもそうであると思うが、選ばれるのは1人である。
そう考えると、自分の方が先に知り合ったとか、先に好きだったとかが果たして関係あるであろうか。
全く関係ないというのは、わざわざいう必要のないことではあるが、魅力的だと思った方が選ばれて当然である。
恋愛なら多くの人と争って、自分を選んでもらう。
仕事も同じである。選ぶ権利のある人に選んでもらうとうことが重要なのである。
相手が求めているものは違っても、選ばれるという意味では一緒である。相手のニーズにこたえることが必要である。
今回は「私の方が先に入りました」という武器をもって勝負したのだろう。
これは恋愛で言い換えると「私の方が付き合いが長いですから」と言っているようなものである。
別にそこが評価の対象ではないということである。
こっちが求めているものは別である。
ここにしっかり気が付くことが絶対に必要である。